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kinyoukai

42nd ‘13.5.10 /谷尻誠氏

「考えることをかんがえる」

May 10th, 2013

今回の講師は谷尻誠氏。広島を拠点にSuppose design officeを主宰され、「建築家」と一言では表せない程多方面で活躍されている。坂倉建築研究所東京事務所に隣接するミッドタウンでも、2012年秋にmountain gymと名付けられた屋外アート作品が展示され、所員の多くが身近に気になる存在として感じていた講師だ。元々は意欲的な作風の住宅や店舗内装の設計において注目されるようになったが、今では様々なメディア等でごく自然に作品や谷尻氏本人が登場するようになった。建築家の定義、職能について新しい風を吹き込もうとする姿勢が、所員に多くの示唆を与えてくれると感じ、今回の講師にお招きするべくオファーをさせていただいた。

[独立するまでの経緯]→[日常のデザイン活動に取り組むポリシーとキーワードの紹介]→[代表作の設計プロセス]という順序でスライドは進んだが、金曜会の聴衆が強く感じたのは、既成概念にとらわれずに、常に一歩引いて考える・気づくという一貫したスタンスだ。その一方で、単に目新しいものを発表したいのなどではなく、「新しい常識」になるデザインを提示できるかに意義を置いて活動しているとの説明があり、レクチャーのテーマの根底に流れる意図を理解することができた。
作品のスライドの中ではコンペへのチャレンジとサクセスストーリーも紹介があり、分析と作戦立ての意見交換には所員も大いに笑い、大いに参考になった。

坂倉建築研究所の「金曜会」と同様に、suppose design officeにも社内レクチャー行事がある。しかし、「THINK」と名付けられているこの行事は金曜会とは大きな違いもある。それは、基本的には建築専門のゲストを呼ばず、谷尻氏が出会った他業種のトップランナーを呼ぶ所だ。これにより、大半の時間を事務所内で作業している所員たちにも、谷尻氏の触れている世界を同じように感じることが可能になり、経験の多寡に関わらず多様な価値観が養われるという大きな意義があることの紹介があった。このような活動により、実際のデザイン・設計を進める際にも、拠り所とする与件の優先順位を入れ替えることに躊躇なく決断が可能となり、その結果新鮮な作品が生まれているのではないかと感じた。

会のスライドはipadを使って操作が進められたが、会の後半では、ほぼ即興でフリーハンドでの大喜利のようなアイデアのキャッチボールも起こり、レクチャーのテーマを凝縮したような一コマとなった。そして中締めと記念写真撮影の終了後には、有志が谷尻氏を囲んで、言い足りなかった質問や感想をぶつけて盛り上がっていたのが印象的だった。(記録:吉田)

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[講師略歴]
1974年 広島県生まれ。1994年 穴吹デザイン専門学校卒業後、1994年~ 本兼建築設計事務所、1999年~ HAL建築工房に勤務。2000年 建築設計事務所Suppose design office 設立。現在 穴吹デザイン専門学校非常勤講師、広島女学院大学 客員教授。近作に、「等々力の集合住宅(森音テラス)」「沼袋の集合住宅」「MOUNTAIN GYM(東京ミッドタウン芝生広場内)」等。
URL  http://www.suppose.jp/