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41st ‘12.8.3 /井上洋介氏

「住宅設計の現場から」

August 3rd, 2012

今回の講師は、坂倉建築研究所OBである井上洋介氏(1991年-2000年に在籍)。独立後は住宅設計を中心に活躍し、多くの作品が雑誌等に掲載されている。中でも特に、研究所在籍時から継続しているコンクリートをはじめとする素材の扱いを磨きながら、クライアントのライフスタイルに密着した空間設計における優れた感覚を評価されて注目されている建築家だ。

レクチャー当日の様子をレポートする前に、是非記しておきたい印象的な出来事がある。我々金曜会の担当者は、事前に講師の事務所を訪問してレクチャー内容について下打合せをする流れを通常とっている。都内にあるペントハウス形式の特徴ある井上氏の事務所での、濃密な設計秘話の披露は、非常に印象的だった。「研究所時代の建設現場常駐時に所長から送られてきた手紙」、「クライアントとのやり取り」、「発想となった図面・ディテール・サンプル」、「変遷の解る現在進行形の模型」等を、短い時間で惜しげもなく、次々と取出し説明してくれた。その思考の深さに、話を聞いた二人は圧倒され、レクチャー当日の期待が大きく膨らんだ。

かくして金曜会当日は大盛況となった。失敗や苦労話も気さくに織り交ぜながら、自己紹介の延長のような井上氏のヒストリーが展開された。スライドでは、初期作から最近作に移るにつれ、住宅の規模は大きく、テーマは深くなっていくのが手に取るようにわかった。

聴衆とのやり取りの中で、「住宅設計を行う際、敷地内にとどまらず、『向こう三軒両隣』、ひいては街並みの成立にいかに寄与できるか」について、議論が大変盛り上がった。講師の見解だけでなく、質問する聴衆側の意見も引き出され、思考が鍛えられていく臨場感は、大いに所員のトレーニングになったはずだ。

また、井上氏の研究所在籍時の同僚も聴衆側に大勢居り、和気あいあいとエピソードが披露されて、特に若手所員は刺激を受けているように感じられた。むしろ、事前打ち合わせで語られた、ディープな設計に対する哲学・こだわりを話し尽くす時間が足りず惜しまれると感じたほどだった。

会の終了後は、旧知の仲間で親交を深めたり、研究所の目指すべき、時代を超えられる作品に必要な要素についてより考えを交わしていく光景があちこちで繰り広げられた。所員にとっての重要なきっかけを生んでくれた会となった。
(記録:吉田)

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[講師略歴]
1966年東京都生まれ。1991年京都大学工学部建築学科卒業、1991年株式会社坂倉建築研究所入社。2000年に同事務所退社後、同年、井上洋介建築研究所設立。近作に、「目黒本町の住宅」「熱海の別荘」「戸塚の住宅」「八幡山の住宅」等。
URL  http://www.yosukeinoue.com/